「安物買いの銭失い」——いま、家電選びに問われていること
物価の上昇が続くなか、家電や住宅設備を「とにかく安いもの」で済ませようとする方が増えています。特にエアコンは「エアコンの2027年問題」が取りただされ、より一層安い機種への注目が集まっています。
しかしその選択が、長期的に見ると大きな出費につながるケースが後を絶ちません。
「安物買いの銭失い」
——江戸時代から使われるこのことわざが、エネルギー価格が高騰する現代の家電選びにおいて、これまで以上に重要なキーワードとなっています。
この記事では、実際によく買い替えられる3つの住宅設備——エアコン・食洗器・給湯器——を取り上げ、「安い製品」と「高効率製品」のトータルコストを数字で比較。さらに省エネ設備導入時に活用できる補助金情報もご紹介します。
この記事の目次
エアコン:三菱霧ヶ峰「JXVシリーズ」vs「GVシリーズ」10年トータルコスト徹底検証
今回比較するのは、どちらも三菱電機の人気ブランド「霧ヶ峰」の2025年モデル。霧ヶ峰は国内製造で品質も非常に良いことから長年根強い人気があり、今回の比較にはないですが暖房強化モデル「ズバ暖」シリーズも東北エリアで非常に人気があります。さて同じメーカー・同じ6畳用でも、比較してみると「グレード」の違いによって省エネ性能と長期コストに大きな差が生まれます。
高効率モデル(上位グレード)
三菱霧ヶ峰
MSZ-JXV2225
JXVシリーズ(2025年モデル)。ムーブアイ赤外線センサーによるAI制御、フィルター自動お掃除機能、左右独立フラップを搭載したミドルハイモデル。
スタンダードモデル(廉価グレード)
三菱霧ヶ峰
MSZ-GV2225
GVシリーズ(2025年モデル)。基本性能と品質にこだわったベーシックモデル。STRONG冷房・新湿度制御などは備えるが、自動掃除・センサーAI制御は非搭載。
スペック・コスト比較表
| 比較項目 | MSZ-JXV2225(上位) | MSZ-GV2225(廉価) |
| 冷房能力 | 2.2kW | 2.2kW |
| APF(通年エネルギー消費効率) | 6.7 | 5.8 |
| 省エネ多段階評価点 (2027年度基準) |
3.1 | 2.0 |
| 期間消費電力量(年間) | 541 kWh | 717 kWh |
| 年間電気代(目安・31円/kWh) | 約 16,771円 | 約 22,227円 |
| 本体価格(目安) | 約 130,000円 | 約 80,000円 |
| 10年間の電気代合計 | 約 167,710円 | 約 222,270円 |
| 10年間トータルコスト (本体+電気代・工事費別) |
約 297,710円 | 約 302,270円 |
※電気代は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh、各社公表の期間消費電力量(JIS C 9612)をもとに試算。本体価格は2025年2月時点の目安であり、本ページを閲覧している時期によっては断りなく変更していることがあります。正確な価格はお問い合わせください。設置工事費・エアコン処分費は別途。実際の電気代は使用環境・地域・契約電力会社によって異なります。
数字を正直に読み解くと——10年時点ではほぼ互角、でも「真の差」はここにある
トータルコストだけ見ると、10年時点では両機種はほぼ同額です。では、安価なGVシリーズで十分でしょうか?実はそうとは言い切れない、重要な視点が3つあります。
① 10年以上使うと逆転する
JXVシリーズの年間節約額は約5,456円。本体差額50,000円の回収年数は約9.2年。エアコンの寿命は平均13〜14年のため、11年目以降は確実にJXVが有利になります。
② フィルター自動お掃除で維持費が違う
JXVシリーズはフィルターの自動掃除機能を搭載。フィルターの目詰まりによる消費電力増加を防ぎ、実際の省エネ効果はカタログ値より高くなる傾向があります。
③ 電気代が上がれば差は広がる
現在の試算は31円/kWhベースですが、電力単価が上がるほど年間節約額も拡大。40円/kWhでは年間約7,024円の差となり、回収年数は約7.1年に短縮されます。
主な機能の差
| ムーブアイ(赤外線センサー AI制御) | ✔ あり | ✘ なし |
| フィルター自動お掃除機能 | ✔ あり | ✘ なし |
| 左右独立フラップ(ゾーン送風) | ✔ あり | ✘ なし |
| STRONG冷房(屋外50℃対応) | ✔ あり | ✔ あり |
| 新湿度制御・スマホ連携 | ✔ あり | ✔ あり |
| 製造 | 日本製 | 日本製 |
結論:「10年使うなら上位機種が有利、快適性と手間も全然違う」
10年間のトータルコストでJXVシリーズが有利になります。さらに、フィルター掃除の手間がなくなる・センサーAIが無駄な電力を削減してくれる・左右独立フラップで家族それぞれに快適な風量を届けられるなど、日々の生活品質の差は数字に表れない大きな価値です。「安さ」だけで選んだ結果、快適性もランニングコストも損する——これが「安物買いの銭失い」の本質です。
食洗器:「食洗器はぜいたく品」という思い込みが、毎日の生活を損している
あなたはこう思っていませんか?
「食器洗いくらい手でできる。わざわざ機械を買うのはもったいない」
「うちのキッチンには合わないし、置き場所もない」
「食洗器は共働き世帯や子育て世帯のもの。うちは必要ない」
実は日本では食洗器の普及率はいまだ約40%程度と、欧米の80〜90%と比べて著しく低い水準です。「手洗いが当たり前」という文化的な思い込みが、毎日の生活から大切な時間と体力を奪い続けています。
手洗いには「見えないコスト」が積み重なっている
「タダでできるから手洗いの方がお得」——そう感じているとしたら、見落としているコストがあります。
時間のコスト
1回10〜15分の食器洗いを1日2回。年間では約120〜180時間を費やしていることになります。10年では最大1,800時間——75日分もの時間が食器洗いで消えています。
肌・体への負担
毎日の手洗いによる洗剤・お湯による肌荒れは、多くの主婦・主夫が悩む問題。ハンドクリームや皮膚科代など、肌ケアコストも見えない出費として積み上がっています。
水道代のコスト
手洗いは流しっぱなしにするため、1回あたり40〜60Lの水を使用するのが一般的。食洗器の使用水量(約9L/回)と比べると4〜6倍もの差があります。
精神的な疲労感
食後に毎回「洗い物がある」というプレッシャー。疲れた日でも済ませなければいけない義務感が、食事後のリラックスタイムを蝕んでいます。
10年間のトータルコスト比較(4人家族・1日2回使用想定)
※水道代は上下水道合算0.24円/L、電気代31円/kWh、洗剤代を含む年間コストで試算。4人家族・1日2回使用を想定。実際の使用量・水道料金・地域により異なります。
| 食洗器を使う | 手洗いで済ます | |
| 初期費用(本体+工事費目安) | 約 150,000円 | 0円 |
| 1回あたり使用水量 | 約 9L | 約 40〜60L |
| 年間の水道・光熱費+洗剤代 | 約 12,000円 | 約 25,000円 |
| 10年間のランニングコスト | 約 120,000円 | 約 250,000円 |
| 10年間トータルコスト (水道・光熱・洗剤・本体費) |
約 270,000円 | 約 250,000円 |
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この表には「計算に入っていないコスト」があります。手洗いを続けることで失われている"時間・手荒れ・ストレス"を加えると、話はまったく変わります。▼ 続きをご覧ください |
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「高いじゃん」と思ったあなたへ
この表は、手洗いが毎日あなたから奪っているものを
まだ一切カウントしていません。
時間・手荒れ・ストレス・家族との摩擦——
これらを加えた「本当のコスト」を見てください。
金額だけでは見えない、食洗器が変える「日々の生活の質」
10年のトータルコストで見ると手洗いの方が約20,000円安くなりますが、それは「お金」だけの話。実は手洗いを続けることで、毎日こんなことが起きています。
食洗器を導入した家庭で起きていること
❌ 導入前
- 食後に洗い物で15分消える
- 疲れていても食器が残っているプレッシャー
- 手荒れが気になって洗い物が憂鬱
- 夫婦間で「誰が洗うか」の摩擦
- 子どもとの時間や入浴が後回しになる
✔ 導入後
- 食後すぐに家族でくつろげる
- 洗い物のストレスがゼロになる
- 手荒れが解消され手肌がきれいに
- 家事分担の摩擦がなくなる
- 解放された時間を趣味・育児・休息に
「時間」を金額に換算すると……
食洗器が節約できる時間は10年間で約1,800時間。これを最低賃金(1,000円/h)で換算するだけで約180万円分の時間に相当します。「食洗器は高い」どころか、圧倒的にお得な投資と言えます。
見落とされがちなメリット:衛生面でも食洗器が圧倒的に優れている
食洗器は高温のお湯で食器を洗浄します。手洗いでは熱くて触れない温度での洗浄が可能なため、大腸菌やノロウイルスなどの菌・ウイルスの除菌効果が格段に高く、乳幼児や高齢者がいるご家庭では特に安心感が違います。
結論:食洗器は「ぜいたく品」ではなく「生活の質を変える必需品」
初期費用の差(約15万円)は確かに存在しますが、10年間で節約できるランニングコスト・時間・体の負担・ストレスを総合すると、食洗器の導入は日本の家庭においてもっとも費用対効果の高い住宅設備投資のひとつと言えます。「手洗いで当たり前」という思い込みを一度手放してみてください。あなたの毎日が、確実に変わります。
給湯器(ガス式):「エコジョーズ」vs「通常タイプ給湯器」——その安さ、10年後に後悔しませんか?
給湯器は毎日お湯を使うため、年間を通じたガス代への影響がとても大きい設備です。高効率タイプの「エコジョーズ」は排熱を再利用することで、標準型と比べて熱効率が13〜15%以上高くなっています。
10年間のトータルコスト比較(都市ガス・4人家族の平均使用量想定)
| エコジョーズ(高効率) | 標準型給湯器 | |
| 熱効率 | 約 95% | 約 80% |
| 本体価格(設置工事費込み目安) | 約 250,000円 | 約 170,000円 |
| 年間ガス代(給湯分目安) | 約 56,000円 | 約 66,000円 |
| 10年間のガス代合計 | 約 560,000円 | 約 660,000円 |
| 10年トータルコスト (本体+ガス代) |
約 810,000円 | 約 830,000円 |
※都市ガス単価174円/m³、4人家族の平均的な使用量で試算。実際の使用量・ガス会社・地域により異なります。工事費・撤去費は別途。
本体差額80,000円は「約8年」で回収できる——給湯器の寿命内に必ず元が取れる
年間ガス代の節約額
約10,000円
毎年コツコツ節約
本体差額の回収年数
約8年
寿命10〜15年以内に回収
15年使った場合の差額
約70,000円
エコジョーズが有利
給湯器の平均寿命は10〜15年。エコジョーズは8年目以降、完全に逆転してお得になります。さらに次の買い替え時もエコジョーズを選ぶことで、この節約効果が一生涯にわたって続きます。
結論:「安い給湯器」に飛びつく前に、必ずエコジョーズかどうかを確認してください
本体費用が安くても、毎月のガス代で確実に差が出ます。10年・15年という長いスパンで使い続ける設備だからこそ、「今日の安さ」より「これからのランニングコスト」で選ぶことが正しい判断です。「アウトレット激安品」の甘い宣伝文句に乗ってしまうことこそ、まさに現代版「安物買いの銭失い」です。
省エネ設備への交換で補助金が受けられる場合があります
省エネ性能の高い住宅設備への買い替えは、国や地方自治体の補助金・助成金制度の対象となることがあります。うまく活用することで、初期費用の負担を大幅に軽減できます。
先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業(国)
経済産業省・環境省が主導する省エネ改修補助金。エアコン・給湯器・窓断熱などが対象となる制度が毎年実施されています。
地方自治体の省エネ助成金
都道府県・市区町村ごとに独自の省エネ設備補助金を設けている場合があります。お住まいの自治体窓口や公式サイトでご確認ください。
期間限定キャンペーンの活用
経済や生活のトレンドに合わせ、左記以外にも期間限定で実施されるキャンペーンが実施されることもあります。タイミングを合わせて設備交換することで、さらにお得になることがあります。
ご注意:補助金制度は年度・予算により内容が変わります。最新情報については弊社スタッフへお気軽にお問い合わせいただくか、各行政機関の公式サイトをご確認ください。
まとめ:「安い買い物」が実は「高い買い物」になっていませんか?
エアコン・食洗器・給湯器の3つの事例を通じて見えてきたのは、「本体価格が安い=賢い選択」ではないという事実です。
エネルギー価格が上昇し続けるこれからの時代は特に、購入時のコストだけでなく長期のランニングコストまで含めた"トータルコスト"で設備を選ぶことが、家庭経済を守る重要な視点となります。
「安物買いの銭失い」にならないためにも、住宅設備の選び方について、ぜひ一度専門家にご相談ください。
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